総務省は、高額な返礼品による自治体間の寄付獲得競争に歯止めをかけようと、今年4月、家電や家具といった資産性の高い返礼品の取りやめや返礼品の調達価格を3割以内に抑えることを求めた通知を全国の自治体に出しました。同省は、この通知後全国の自治体を調査、5月に通知の趣旨にそぐわない約100の自治体に対し、改めて見直しを求める通知を個別に出し、6月5日までに今後の方針などを回答させました。


自治体の対応はまちまちで、15年度の寄付額が全国1位だった宮崎県都城市は、これまでは寄付額の5~6割を返礼品にあてていましたが、通知を受け、6月から3割に減らしました。従来は寄付1万円に対するお礼だった品を、寄付2万円への返礼品に変更しました。総務省の通知後、4~5月は前年同期の2倍の駆け込み寄付が集まりましたが、6月以降はどれだけ減るか正直読めないと市の担当者は語っています。とはいえ、返礼品は都城のPRになり、地域活性化にもつながっているので、これからも質の高い返礼品をそろえ、「肉と焼酎の町」を全国にアピールしたいと、寄付を集める意欲満々のようです。
日立市は27年に掃除機や電子レンジなど日立製作所の家電製品を導入。話題性と人気は抜群で、26年度に約80万円だった寄付額は27年度には約8億円、28年度は13億円を集めた。小川春樹市長は「家電は市の特産品。炊飯器や掃除機などは日常生活で使われており、資産性が高いとは考えていない。」と継続する意向を表明する一方で、返礼割合が3割を超えている返礼品については、早ければ7月をめどに見直す方向で検討する考えのようです。
市内で製造されているパソコンを返礼品に採用している山形県米沢市では、28年度のふるさと納税35億円のうち、金額ベースで約8割の納税者がパソコンを希望しました。総務省には「見直す方針」と回答しましたが、議会や事業者への説明はこれからで、現在も寄付申し込みを受け付けており、見直す時期については、はっきり示せていません。
返礼品でもらえる量が減っても、実質2000円の自己負担というものはかわりません。お得感がなくなるわけではありませんので、ふるさと納税が衰退していくとは考えにくいでしょう。ただ、返礼品の原資は自治体や国庫に納められた税金で、ふるさと納税が進めば進むほど、居住地の税収は減っていきます。しかも今後も、減収になった分の最大3割が返礼品として寄付者に払い戻されるのです。つまり、その地域全体の為に平等に使われるべきお金が、別の地域に住む一部の高額寄付者にいってしまうという構図を生み出す可能性があるということです。
返礼品目的ではなく、純粋にその地域の応援をしたいためにふるさと納税をするという本来の趣旨に戻るには、ここまで返礼品のお得感が広まった現状では、多くの時間と各自治体の努力が必要になってくるでしょう。