総務省は4月1日付で全国の自治体に、返礼品の仕入れ価格を寄付額の3割以下に要請したほか、換金性が高い商品券や、宝飾品など資産性の高いものを贈呈しないように求める通知を出しました。
4月2日の読売新聞に、それを受けたいくつかの自治体の反応が掲載されていました。15年度の寄付金額が全国1位の宮崎県都城市は、総務省の方針に従う方針です。同市の寄付額に対する返礼品の価格は5~6割で、梱包や送料などを加えると7~8割に達してます。しかしながら、通知に従うことで寄付が大きく減ることになれば、予定された事業ができなくなる可能性もあると危惧しています。全国2位の静岡県焼津市も腕時計など高額返礼品の取り扱いをやめる予定です。
他の自治体の動向を見ながら対応を決めるという自治体も多くあります。和牛などで人気の高い北海道上士幌町は、返礼品の仕入れ価格は寄付額の5割程度と通知を上回ります。しかし、町の担当者は、制度の趣旨からは逸脱していないとし、他の自治体の足並みを見てから対応を考えていくようです。「ドローン」を返礼品として用意している東京都国立市も、他の自治体の動向を見ながら見直しを判断したいとしています。大阪府大東市は電気ポットや炊飯器などの家電品を返礼品としていますが、返礼品は市内の工場の製品なのに、家電が規制の対象に入っていることに戸惑いを感じており、対応を決めかねているようです。
通知に対して、返礼品の見直しをしない予定の自治体もあります。「温泉感謝券」が人気の群馬県草津町は、正式に通知が届くまでは言えないが、今後も続けていく予定としています。長野県岡谷市は、ダイヤモンドの宝飾品や腕時計などといった返礼品について、価格は寄付額の3割程度が目安として見直す予定はないようです。
ふるさと納税は、財政基盤の弱い地方の税収を増やし活性化を促すことが本来の目的です。しかし、過熱する自治体間の「返礼品競争」に参戦する都市部の自治体は少ないため、地方の豪華な返礼品が都市部の税収を奪う構図になっているようです。
返礼品競争を抑制するために、総務省が通知を出すのは今回が3回目、前回の通知で還元率が60%以上あるともいわれていた千葉県大多喜町の「ふるさと感謝券」が取りやめになるなど、ごく一部の自治体では見直しは行われましたが、通知には法的拘束力がないため、ほとんど改善が見られませんでした。今回の通知は、守らない自治体に対し個別に対応を求めることもあるとしていますが、前2回と同じように実効性を疑問視する見方も出ているようです。