千葉県大多喜町は5月24日、ふるさと納税の返礼品として使っていた金券を、「不適切な取り扱いを是正することが極めて困難なため」という理由で、5月末で廃止すると発表しました。
大多喜町はふるさと納税をする富裕層には有名な自治体で、2014年12月に返礼品として金券を贈りはじめ、15年度の寄付額は前年度の40倍近い18億円に急増した町です。なぜこれだけ人気が出たのか、そのからくりは次のようなものでした。
例えば、給与年収1億円の男性が昨年、町に400万円のふるさと納税をしたとします。自己負担は2千円で、399万8千円は男性の所得税と住民税から減額されます。町からは寄付額の7割の280万円分の金券が贈られ、2千円を引いた279万8千円が「もうけ」になります。男性はこの金券を、多様な品揃えの大多喜町百貨店に郵送し、品物を購入します。もちろん、人口1万人の町に何でも揃う実店舗などあるはずもなく、大多喜町百貨店が通信販売を行うことで、町の特産とは関係ない高額な商品まで購入できるというしくみになっていました。また、金券自体がインターネットのオークションで転売される事例も続発しました。これは、ふるさと納税の趣旨にはあわない制度で、総務省は今年の4月、金券や家電製品など資産性の高い返礼品を贈らないように自治体に通告していました。
今回の金券の取りやめはこういった背景があったからのようです。ただし、すでに贈られた金券は有効だということです。
ふるさと納税は今や、やらなければ損という時代です。しかしながら考えてみると、本当に恩恵を受けているのは一部の高所得者で、私のような庶民は、福祉や子育てなどに充てられるべき税が、返礼品に化けて目減りしているという現状に、早く気がつくべきなのかもしれません。